2025.10.02
歯周ポケットは改善する?深くなる原因や歯ぐきの状態についても
歯周病は「日本人の国民病」とも呼ばれています。
近年、日本人の約8割が歯周病、またはその予備軍であると考えられています。
歯周ポケットが改善するかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。

歯周ポケットって治るの?

歯周ポケットは何mmから歯周病?

どうして歯周ポケットは深くなるの?
この記事では、歯周ポケットは改善するか、深くなる原因や歯ぐきの状態についても詳しく解説しています。
歯周病が気になっている方は参考にしてくださいね。
目次
歯周ポケットとは

歯周ポケットとは、歯と歯ぐきの隙間にできる溝である「歯肉溝」のことです。
健康な歯ぐきの場合、歯周ポケットは1~3mm程度ですが、歯周病が進行するにつれ深くなります。
歯周ポケットが深くなると、プラークや歯石が溜まりやすくなるので、歯肉の腫れや痛み等の炎症も強くなるでしょう。
歯周病が更に悪化すると、歯を支えている骨が溶け、歯が抜けてしまうこともあります。
歯周病の進行を止めるためにも、歯周ポケットが深くなる前に、口腔ケアを頑張りましょう。
歯周ポケット4mmは治る?深さ別の歯ぐきの状態
歯周ポケットは、プローブという専用の器具を使って深さを測ります。
歯周ポケットの検査は、歯周病の程度を知るのに必須なので、ほとんどの歯科医院が初診で歯周検査を実施しています。
歯周ポケットの深さ | 歯ぐきの状態 | 歯周病の進行度の目安 | セルフケア可能か |
2mm | 健康 | 健康 | 健康な歯ぐきなのでこのまま口腔ケアを続けてください。 |
3mm | 歯ぐきが赤く腫れて、歯磨き時に出血が見られることがあります。 | 歯肉炎 | 丁寧な歯磨きで、健康な歯ぐきに戻すことができます。 |
4mm | 歯ぐきの腫れや出血、口臭がみられます。 | 軽度の歯周病 | 丁寧な歯磨き、歯科医院での歯のクリーニングによって健康な歯ぐきに戻せる可能性があります。 |
6mm | 歯ぐきが下がり、痛みや膿、出血がみられます。 | 中等度の歯周病 | 歯科医院での治療が必要です。歯のクリーニングや歯石取り等の治療をしてもらいましょう。 |
10mm | 炎症が歯ぐきだけでなく骨にまで広がっている状態です。歯がグラグラします。 | 重度の歯周病 | 歯科医院での治療が必要です。抜歯や外科的な処置が必要なこともあります。 |
歯周ポケットが深くなるにつれ、歯周病が悪化します。
歯周病の怖いところは、最終的に歯がなくなる可能性があるところです。
歯周病を食い止めるために、日々の丁寧なセルフケア、歯科医院の定期健診を受診することをおすすめします。
歯周ポケットが深くなる原因
こちらでは、歯周ポケットが深くなる原因をご紹介します。
当てはまる項目がないか、チェックしてみましょう。
プラークや歯石がたまっている

歯周病の最大の原因はプラークと歯石です。
プラーク内には、歯周病菌がたくさん繁殖しています。
歯周病菌が出す毒素によって、歯肉に炎症がおこり、歯周ポケットが深くなるので、プラークは歯周病の大敵です。
また、歯石の表面はザラザラしているので、プラークが付きやすく、歯周病が悪化するので、取り除く必要があります。
プラークは日々の歯磨きで除去できますが、歯石は歯科医院での専用の器具でしか除去できないので、定期健診を欠かさないようにしましょう。
歯周病菌が増える

歯周ポケットの中には、たくさんの歯周病菌が住み着いています。
歯周病菌が増えると、
- 歯周病菌が出す毒素によって歯ぐきに炎症が起こる
- 好中球が増えることで歯と歯ぐきの接着が弱まる
- 歯周ポケットが深くなる
という悪循環が生まれます。
歯周ポケットが深くなると、ますます歯周病菌が繁殖してしまうので、歯周ポケットが深くなる前にケアすることが大切です。
嚙み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、歯や歯ぐきに強い力がかかり、歯ぐきなどの歯周組織が壊れてしまうことがあります。
それにより、歯ぐきに炎症が起こり、歯周ポケットが深くなってしまいます。
不正咬合や食いしばり・歯ぎしりがある人は注意しましょう。
糖尿病をはじめとする全身疾患によるもの

歯周病が関係している全身疾患には、糖尿病・肥満・誤嚥性肺炎・骨粗鬆症などがあります。
全身疾患によって歯周病が引き起こされる場合も、歯周病が全身疾患を悪化させることもあります。
免疫力の低下やホルモンバランスによっても歯周病が悪化することがあるので、全身疾患がある方は、日々の口腔ケアにも力を入れましょう。
喫煙している

喫煙は歯周病を引き起こし、進行させる要因の1つです。
タバコに含まれるニコチンにより、歯周組織が破壊され、歯周病が悪化します。
また、歯肉が酸素不足になるため、嫌気性の歯周病菌が増えることも、歯周ポケットが深くなる原因の1つです。
なるべく、禁煙に励みましょう。
ストレスが多い

過度のストレスは、歯周病の要因になりえます。
ストレスは免疫の低下や自律神経の乱れを引き起こすため、歯周病菌が増殖しやすく、歯周病が悪化する原因になります。
ストレスを全て無くすのは難しいですが、なるべくストレスが少ない生活を目指し、生活習慣を整えましょう。
歯周ポケットの改善に関するよくある質問
歯周ポケットの改善に関するよくある質問をまとめました。
参考にしてください。
Q1. 歯周ポケットの40代・50代など年代別の平均は何mmくらいですか?
歯周ポケットの深さの平均は、40~50代では3~4mm程度ですが、年代が上がるにつれ、歯周ポケットが深い人が多くなる傾向があります。
こちらは「4mm以上の歯周ポケットを持つ者の割合」の表です。
年齢 | 割合 |
---|---|
15~24歳 | 17.8% |
25~34歳 | 32.7% |
35~44歳 | 34.7% |
45~54歳 | 43.7% |
55~64歳 | 47.5% |
65~74歳 | 56.2% |
75歳以上 | 56% |
こちらの表から、40代以上になると、深い歯周ポケットを持つ人が多くなり、歯を失うリスクが高まることが分かります。
40代以上になると、歯周病の進行が速いので、歯科医院での定期健診は必ず受けるようにしましょう。
Q2. 歯周ポケットが深いとどうなってしまうのですか?

歯周ポケットが深いと、プラークや歯石がたまりやくすくなり、歯周病菌が更に繁殖してしまいます。
歯周病菌が繁殖する⇒歯肉に炎症が起こる⇒歯周ポケットが深くなる、という悪循環が起こってしまいます。
歯周病が進行すると、歯自体を失ってしまうこともあるので、歯周ポケットが深くならないように、口腔ケアを丁寧に行いましょう。
Q3.歯周病は歯周ポケットが何mmくらいから疑われますか?

歯周ポケットは1~2mmの深さを目指しましょう。
3mm以下は健康な歯ぐきとみなされますが、3mmは歯肉炎の状態のこともあるので、健康な歯周ポケットは1~2mmと言えるでしょう。
4mm以上は歯周病とみなされ、歯肉の腫れや赤み、出血などが見られます。
歯周病の兆候が見られた場合は、口腔ケアを丁寧にする、歯科医院で相談するなど、早めの対策を取ることをおすすめします。