2025.07.03
セラミック治療について|メリット・デメリットについても

セラミック治療をすると、本物の歯のように美しい白い歯になれる、というようなイメージですよね。
セラミック治療で白い歯になりたいけど、以下の疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

セラミック治療って高いのでは?

セラミック治療ってたくさん種類があるって本当?

セラミック治療は保険適用にならないの?
この記事では、セラミック治療の特徴、メリット・デメリットをご紹介しています。
セラミック治療を検討している方はどうぞ参考にしてください。
セラミック治療とは

セラミック治療とは、むし歯の治療後に作る被せ物や詰め物等の補綴物を、セラミックで作る治療のことです。
補綴物の材質はさまざまなものがあり、保険内でできるレジンや金属、自由診療ですが天然歯の色味に近いセラミックなどがあります。
セラミックはいわゆる陶材のことで、色合いが天然歯に似ており美しい仕上がりにできるため、歯科医院でもおすすめされることがあるかもしれません。
では、具体的にセラミック治療がどのようなものか確認してみましょう。
セラミック治療の特徴
この項目ではセラミック治療の特徴をご紹介します。
歯科の補綴物でよく使われるセラミック・プラスチックであるレジン・金属の3種類を表にまとめたので、比較してみてください。
材質 | メリット | デメリット | 治療費 | |
セラミック | 陶材 | ・色合いが天然歯に似ており目立ちにくい ・変色しにくい ・金属アレルギーでも使用可能 ・劣化しにくい | ・もろいため割れることがある ・歯を削る量が多い | 自由診療(自費) |
レジン | プラスチック | ・色味が白い ・小さな虫歯だと即日で治療が終わる ・金属アレルギーでも使用可能 | ・着色しやすい ・欠けやすい ・強度が弱い | 保険適用 |
金属 | チタン合金や金銀パラジウム合金など | ・強度がある | ・金属なので目立つ ・金属アレルギーには使用不可 ・歯ぐきに着色する可能性がある | 保険適用 |
3種類ともにメリット・デメリットがあり、適応できる症例も違います。
治療する部位や予算に応じて、補綴物の選択が異なるので確認が必要です。
セラミック治療の種類
一概にセラミック治療といっても、セラミックの中でも種類があり、それぞれ特徴があります。
こちらでは、具体的にセラミック治療の種類と特徴をご紹介します。
- ラミネートベニア
- オールセラミッククラウン
- メタルボンドクラウン
- ジルコニアクラウン
- e-max
- ハイブリッドセラミック
では、上の表でご紹介したセラミック治療を詳しくみていきましょう。
- ラミネートベニア
- ラミネートベニアは歯の表面を薄く削り、シェル状の薄いセラミックを貼り付ける治療法です。
歯を削る量も少なく、短期間で美しい仕上がりにできるので主に、審美目的で使われます。 - オールセラミッククラウン
- オールセラミッククラウンはセラミック、つまり陶材のみで作られるクラウンのことです。
透明感のある天然歯に似た色合いの補綴物なので、審美性に優れています。
- メタルボンドクラウン
- メタルボンドクラウンは金属のフレームが表面のセラミックに裏打ちされた補綴物です。
裏側に金属を使用しているため、オールセラミックよりは審美性が劣りますが、強度と審美性を兼ね備えた優れた補綴物です。 - ジルコニアクラウン
- ジルコニアクラウンはセラミックの一種であるジルコニアを使用しているクラウンです。
ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれ、高い強度と審美性を兼ね備えています。
- e-max
- e-maxはセラミック素材の一種で、ガラスセラミックを強化した補綴物です。
ガラス特有の透明感を持ち、天然歯と同程度の強度をもつため、対合歯を傷つける心配がありません。 - ハイブリッドセラミック
- ハイブリッドセラミックとはセラミックとプラスチックであるレジンを混合した補綴物のことです。
セラミックに近い審美性の高さですが、料金が安いのが特徴です。
レジンが配合されているため、変色や摩耗には弱いです。
セラミック治療の料金相場
セラミック治療の料金の相場をご紹介します。
セラミック治療は自由診療なので、歯科医院によって料金は異なります。
こちらで紹介する料金は、あくまで目安として参考にしてください。
セラミックの種類 | 1本あたりの料金 |
---|---|
ラミネートベニア | 5万円~15万円 |
オールセラミッククラウン | 10万円~18万円 |
メタルボンドクラウン | 7万円~13万円 |
ジルコニアクラウン | 5万円~15万円 |
e-max | 5万円~10万円 |
ハイブリッドセラミック | 8,000円~1万円 |
セラミック治療のメリット・デメリット

セラミック治療のメリット・デメリットをご紹介します。
セラミック治療のメリット | セラミック治療のデメリット |
・色合いが天然歯に似ており目立ちにくい ・変色しにくい ・金属アレルギーでも使用可能 ・劣化しにくい ・二次う蝕になりにくい ・歯肉への着色が少ない | ・硬いため割れることがある ・歯を削る量が多い ・自由診療で高額である |

セラミックの一番のメリットはその審美性にあります。
透明感のある自然な歯の色を再現できるため、天然歯と見まがう程、審美性は高いです。
セラミック治療は金属を使用していないので、歯肉への着色がないのが保険適応の金属の補綴物との大きな違いです。
また、長期使用しても変形しにくく、歯との適合性が保たれるので、二次う蝕になりにくいのも大きなメリットと言えるでしょう。
しかし、審美性を重視する治療のため、自由診療となり、保険治療と比べると高額になってしまいます。
金属よりも脆く、衝撃に弱いこともデメリットです。
しかし、高強度のセラミックであるジルコニアクラウンが開発されるなど、セラミック治療は進歩し続けています。
適応部位や、症例によって最適なセラミックを歯科医院で選んでもらいましょう。
セラミック治療の流れ

セラミック治療の治療の流れをご紹介します。
虫歯の治療が終わってからは、ほとんどの場合、2~3回の来院と定期的なメンテナンスで治療が終わります。
治療の流れはこちらの通りです。
- カウンセリング・初診の検査・治療計画の立案
- 虫歯や以前の補綴物の除去
- セラミックの補綴物の土台を形成する・型取り
- セラミックの補綴物の装着
- 定期的なメンテナンス
以下に治療の流れを詳しく解説いたします。
カウンセリング・初診の検査・治療計画の立案

初診の場合、まずはカウンセリングでお悩みや治療のご希望をお聞きします。
初診の検査にはこちらのような検査があります。
- 歯の本数などお口の状態のチェック
- 虫歯、歯周病のチェック
- レントゲンによるX線写真撮影
お口の中をチェックしてから、治療計画を立て、治療内容や適切なセラミック治療の種類を紹介してもらえます。
虫歯や以前の補綴物の除去

虫歯があれば、まずは虫歯の治療をしなくてはいけません。
以前の補綴物をやり直して、セラミックにしたいなどの審美的なご希望の場合は、以前の補綴物を除去し、除去した後の穴をキレイに清掃します。
セラミックの補綴物の土台を形成する・型取り

セラミックの補綴物を装着するために、歯を削って土台を形成します。
土台の形成が終わると、補綴物を作るために型取りをします。
セラミックの補綴物の装着

セラミックの補綴物ができあがると、歯科用セメントで装着します。
噛み合わせを調節したら、治療は終了です。
定期的なメンテナンス

定期健診は3~6ヶ月の頻度でおすすめしているので、噛み合わせやお口のトラブルをチェックするためにもお越しください。
歯のクリーニングも併せて行います。
セラミック治療の保険適用の条件

セラミック治療は原則、保険適用にならず、自由診療です。
そのため、高額にはなりますが、審美性はとても高く、長持ちもするので、仕上がりに満足していただける場合がほとんどです。
こちらではセラミック治療の保険適用について詳しくご紹介します。
セラミック治療は基本的には自由診療

セラミック治療は基本的に自由診療です。
その理由は、保険内のレジンや金属の補綴物でも充分に噛めるようになるけれども、より高価なセラミックを使うことで審美性や耐久性を上げることができるからです。
セラミック治療は優れた治療法なので、全ての補綴治療に適応できることが理想ですが、材料費や技工料金が高いので現在の日本の医療費で賄うことは難しいです。
医療費の負担が問題となっている現在、審美目的のセラミック治療が保険適用されるのは難しいです。
条件を満たせば保険診療になる場合あり
セラミック治療は前述した通り、基本的に自由診療ですが、条件を満たせば保険診療になる場合があります。
ハイブリッドセラミックのブロックのみが現在(令和7年)、保険診療で治療を受けることができます。

保険診療になるハイブリッドセラミックは、CAD/CAM冠と呼ばれ、ハイブリッドセラミックでできているブロックから削りだされて作られます。
CAD/CAM冠は歯を口腔内スキャナーでスキャンし、コンピューター上で補綴物の形状をシミュレーションします。
その後、3Dプリンターのようにハイブリッドセラミックのブロックを機械で補綴物の形に削り出す方法です。
全ての歯や歯科医院で保険適用になるわけではなく、施設基準や噛み合わせによっては適用されない場合があります。
CAD/CAM冠は安く、白い歯が作ることができるのでおすすめですが、保険診療内で、ご自身の歯に適応できるかどうかは歯科医院でご相談ください。
治療目的であれば医療費控除の対象にはなる!

セラミック治療が医療費控除の対象になるかどうかは、歯の治療のために行ったどうかによります。
歯を白くしたいなどの審美目的のために行った場合は医療費控除の対象にはなりません。
治療のための通院にかかった交通費も医療控除の対象になります。
医療費控除の制度を利用する際には領収書が必要なので、領収書は取っておくようにしましょう。
セラミック治療に関するよくある質問

セラミック治療に関するよくある質問をご紹介します。
Q1. セラミック治療は絶対ダメと言われるのはなぜですか?

どんな治療にもデメリットがあります。
セラミック治療が絶対ダメと言われる理由ですが、デメリットばかりに目がいってしまっている可能性があります。
セラミック治療には以下のようなデメリットがあります。
- 健康な歯質を多く削らなくてはいけない
- 使っているうちにセラミックが割れるリスクがある
- 自由診療のため高額な治療になる
- セラミック治療の種類が多く選ぶのが難しい
- 10~15年が寿命のことが多く永遠に使えるわけではない
歯科医師がセラミック治療を勧めるときは、メリットがデメリットを上回る場合のみです。
カウンセリングで悩みや不安を相談して、納得してから治療を受けましょう。
Q2. セラミックと銀歯はどちらがいいですか?

セラミックも銀歯のどちらにも、メリット・デメリット・適応症例があるため、一概にどちらが良いと言うことはできません。
ただ、セラミックは自由診療のため、審美性や耐久性が高い補綴物を患者さんに提供することができます。
しかし、銀歯は強度があるので破損しにくく、奥歯や歯ぎしりのある人には向いているというメリットがあります。
ご自身のお口の状況を考慮しながら、最適な治療法を選びましょう。
Q3. セラミック治療は30年後どうなりますか?

セラミックの補綴物の一般的な寿命は10年~15年と言われています。
しかし、お口の状態は個人によって異なるので、一概に何年もつということは言えません。
お口の状態によっては、20~30年使い続けることも可能です。
こちらの条件によって、セラミックの寿命は変わってきます。
- セラミックの種類
- 口腔衛生状態
- 定期的なメインテナンス
- 噛み合わせや歯ぎしりなど
セラミックを長持ちさせるには、口腔内を清潔に保ち、過剰な力がセラミックにかからないようにしましょう。