2025.05.06
歯磨きでプラーク(歯垢)を除去する方法|歯石も取れるかを解説
プラークコントロールが大事だといわれていますが、プラークや歯石をどうやって除去するかは知らない方が多いかもしれません。
プラークや歯石についてこんな疑問をよく聞きます。

プラークと歯石って何が違うの?

プラークも歯石も歯磨きで取れるんでしょ?

そもそもプラークって何?
この記事では、プラークと歯石についてや除去する方法について、詳しく説明していますので、ぜひ参考にしてください。
プラーク(歯垢)とは?
プラークとは歯垢とも呼ばれ、歯の汚れのことです。
こちらではプラークについて詳しく解説するので参考にしてください。
プラークって何?

プラークは食べカスではなく、細菌の塊のことです。
歯の表面を舌で触るとネバつきを感じたことはありませんか?
細菌は歯の表面を覆っているペリクルを足掛かりにして、歯に付着・定着して糖分をエサに増殖します。
増殖した細菌の塊でネバネバしているものがプラークです。
プラークは食後8時間程度で形成され、長時間貯まるとバイオフィルムと呼ばれる膜を形成します。
プラーク1mg中には約1憶の細菌が住み着いています。
食後は歯磨きをする習慣を身につけましょう。
プラークは歯磨きで落とせる?

プラークは歯磨きで落とすことができるので、定着させないよう食後には歯磨きをしましょう。
歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、咬合面の溝にプラークが付きやすいので歯ブラシだけではなく、歯間ブラシやフロスなども使って丁寧に磨くことをおすすめします。
プラークを放置するとどうなる?

プラークを放置すると細菌の増殖がどんどん進み、バイオフィルムと呼ばれるプラークの膜を形成します。
更に、プラークは唾液中に含まれるカルシウムやリン酸などと反応し石灰化すると硬い歯石となります。
歯石の表面は凸凹でプラークや汚れが付きやすい状態です。
歯石の上に更にプラークが付き、そのプラークが歯石になる、という悪循環を引き起こすのでプラークを口に長時間残さないことが大切です。
プラーク(歯垢)を除去するための歯磨き方法
では、プラークを除去するためにはどうしたらいいのかが気になりますよね。
ここでは、食後8時間程度で形成されるプラークを除去するための歯磨き方法を紹介するので、参考にしてください。
丁寧に隅々まで歯磨きを行う
「磨いている」と「磨けている」は違います。
磨き残しがないように丁寧に歯磨きしましょう。

磨き残しが多いところ
・歯と歯の隙間
・奥歯のかみ合わせの溝
・歯と歯ぐきの境目
意識して磨くことで磨き残しが減るので頑張って歯磨きしましょう。
デンタルフロス・糸ようじ・歯間ブラシなどを使う

歯と歯の隙間は歯ブラシでは届きにくいため、デンタルフロス・糸ようじ・歯間ブラシなどを併用しましょう。
歯間ブラシにはサイズがあるので自分に合った適切なサイズを歯科医院で教えてもらいましょう。
奥歯など磨きにくいところはワンタフトブラシを使う

奥歯の嚙み合わせの溝は歯ブラシでは届きにくいため、ワンタフトブラシをおすすめします。
毛先が小さく磨きやすいので毎日の歯磨きに取り入れてみてください。
プラークを分解する成分が配合された歯磨き粉や洗口液を使用

プラークを分解する成分が配合された歯磨き粉や洗口液を使うこともおすすめです。
プラークを分解する成分
・DEX(デキストラナーゼ):歯垢を分解する酵素
・TDS(テトラデセンスルホン酸Na):歯垢分散効果あり
DEXとTDSはプラークを分解する効果を期待できるので成分表をチェックしてお買い求めください。
プラーク(歯垢)と歯石の違い
プラークと歯石は何が違うのか、疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
こちらではプラークと歯石の違いを表にしましたので、確認してみてください。
歯垢(プラーク) | 歯石 | |
---|---|---|
特徴 | 歯の表面につくネバネバした汚れ 歯磨きで除去できる | 白~黄味がかった硬い汚れ 歯磨きで除去できない |
状態 | 歯に細菌の塊が付着した状態 | プラークが石灰化して硬くなった状態 |
落とす方法 | 丁寧な歯磨き | 歯医者でのクリーニング |
口臭への影響 | 有 細菌から発生するガスによる臭いがある | 有 歯石にプラークが付き口臭の原因になる |
歯周病への影響 | 有 細菌による歯周組織への攻撃による | 有 歯石にプラークが付き、プラーク中の細菌が歯周組織を攻撃することによる |
虫歯への影響 | 有 細菌が作る酸が歯を溶かすことによる | 有 歯石自体は直接虫歯の原因にはならないが、歯石にプラークがつくことで虫歯のリスクが上がる |
歯石は死んだ細菌の塊なので直接的に歯周病や虫歯の原因にはなりません。
しかし、歯石の表面は凸凹しているのでプラークが付きやすく、プラーク中の細菌によってさまざまなトラブルが引き起こされます。
前述した通り、プラークは歯ブラシで除去できるので、歯石になる前に歯磨きでプラークコントロールすることが大切です。
自分で簡単に歯石を取る方法
自分で歯石を取ることはおすすめしません。
歯石は硬く、簡単に取ることはできませんし、無理に取ろうとすると口の中を傷つける可能性があるためです。
歯石は自分で取れる?

歯石は硬いので、歯科医院では超音波スケーラーという機械やスケーラーという器具で除去します。
スケーラーは市販されているので自分でも取ることができますが、歯石取りはテクニックがいり、簡単な作業ではありません。
スケーラーには刃が付いていて口の中を傷つけてしまう可能性もあるので、もし自分で歯石を取るときは気を付けましょう。
歯石を自分で取る方法、その時の注意点を下に記載したので参考にしてください。
歯石をスケーラーで自分で取る方法
スケーラーは市販されているので購入することができます。
ただし、歯石取りはテクニックがいるため自分で全て綺麗に取り去るのは難しいです。
また、スケーラーは刃物なので口の中を傷つける恐れがありますので、取り扱いに注意しましょう。
スケーラーを使う手順
以下にスケーラーを使う手順をまとめました。
- スケーラーをアルコールで消毒する
- 鏡で歯石を確認しながら、見える範囲の歯石をスケーラーで除去する
- 水で口をすすぎながら歯石を少しずつ除去する
- 最後は水で洗い流す
歯石取りを自分で行う時の注意点
歯石取りを自分で行う場合、以下の点に注意してください。
- スケーラーは刃物なので取扱いに注意する
- 歯ぐきが腫れていたり、炎症がある場合は行わない
- 見えない深い歯石を取るのではなく、見える範囲の歯石を除去する
- 除去した歯石を飲み込まないように注意する(ただし、万が一飲み込んでもほとんどの場合、排出される)
- 歯石を取る前にはスケーラーを消毒する
歯石が気になったら歯科医院の受診がおすすめ
歯石取りは自分で行うには、テクニックを要し、難しく時間がかかる作業です。
歯科医院では超音波スケーラーで効率的に歯石を除去し、また見えない深いところにある歯石も専門知識や技術のあるスタッフに除去してもらえます。
自分で歯石取りをすることで余計にトラブルが増える可能性があるので、ぜひ定期健診も兼ねて歯科医院を受診することがおすすめです。
歯磨きでプラーク(歯垢)を落とすに関するよくある質問
プラークと歯石取りについての質問をまとめましたので、参考にしてみてください。
Q1. 歯石がポロっととれたのですが大丈夫ですか?

歯石がたくさん歯に付いていると、歯磨きや刺激で取れる場合があります。
歯石は死んだ細菌の塊なので飲み込まない方がいいですが、万が一飲み込んでしまっても、ほとんどの場合排出されるので気にしなくても大丈夫です。
しかし、自然に歯石が取れるということは、歯にたくさん歯石が付いている状態です。
歯科医院で歯石取りをすることをおすすめします。
Q2. 爪や爪楊枝などで自分で簡単に歯石は取れますか?

歯石は爪や爪楊枝で簡単に取ることは難しいです。
取れる場合もありますが、取れても表面が更にざらついてしまうのでプラークがさらに付きやすくなります。
これにより、口の中のトラブルが進行する場合があります。
また、爪や爪楊枝で無理に歯石を取ろうとすると歯肉を傷つけ、傷口から細菌感染する可能性もあるのでやめましょう。
Q3. 歯垢が歯につくとザラザラしますか?

プラークが固まると歯石になるので、ザラザラとした舌触りを感じるようになります。
歯石はプラークが唾液中に含まれるカルシウムやリン酸などと反応して、石灰化しているので硬いです。
歯石になる前のプラークは、ザラザラというよりむしろネバネバした感触です。
歯がネバネバしているな、と感じたらまずは歯磨きをしましょう。
プラークは歯磨きで除去できるので歯石になる前に、丁寧な歯磨きで除去することをおすすめします。